なんらかの原因で、尿道がふさがりオシッコが出にくくなったり全く出なくなったりする状態です。
結石などが尿道に詰まったり、腫瘍などが尿道を圧迫したりすることで起こります。泌尿器の発育不全によって起こることもあります。
尿路結石症の猫ではとくに注意が必要です。オスは尿道が細長くてカーブしている部分があり、先端が細いので、メスよりも詰まりやすい構造をしています。
オスは尿道がカーブしているため、メスよりも詰まりやすい。
初期では、トイレに行く回数が増える、頻繁にトイレに行くのにオシッコが少ししか出ない、オシッコに血尿が出る、トイレ以外の場所で粗相をするなど、典型的な下部尿路症状がみられます。まったくオシッコが出なくなると、急性腎障害(急性腎不全)や尿毒症になり、治療しなければ1〜2日で死に至ります。
血尿はサインの1つ。
早く気づけるようによく観察して。
処置が遅れれば命に関わることもあるので、治療は一刻をあらそいます。尿道にカテーテルを入れてふさがっている尿道を開通させ、たまっているオシッコを排泄させます。結石などが詰まっているときはそれを取り除いてオシッコを出し、膀胱の中をきれいに洗浄して、結石をとかす治療を行います。閉塞がひどい場合には、尿道を短くする手術を行う場合もあります。
尿石症が原因で起こることが多いので、食事管理や水をたくさん飲ませるなど、尿石症を予防することが大切です。また、愛猫の様子を普段からよく観察し、初期症状の段階で気づいてすみやかに病院に連れて行くようにしましょう。
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ダイアリーに記録し、日頃からオシッコの状態をチェックしましょう。