月に1度の新習慣
オシッコチェックの方法

排泄物は健康のバロメーター。月に1度は愛猫のオシッコを見てみよう!

猫のオシッコには健康情報がたっぷり含まれています。毎日のトイレ管理は、掃除だけでなく、貴重な健康チェックのチャンス!普段の状態を知っていればこそ、異変にも早く気づいてあげられるもの。最低でも月に1度は、オシッコ(液体)そのものをチェックする習慣をつけましょう。

自宅での月に1度の新習慣

  • STEP1 自宅でオシッコを採る

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  • STEP2 色・量・ニオイをチェック

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  • STEP3 ダイアリーに記録

  • 愛猫の普段のオシッコの状態を知るために、最初の1ヶ月は週に1度チェックすることをお勧めします。 

STEP 1
自宅でオシッコを採る 

自宅での採尿は、いくつか方法があります。トイレの形態や愛猫にあわせた方法でチャレンジしましょう。

 

● システムトイレで簡単に

システムトイレは、引き出し部にシートを敷かずに使用すると、チップ(砂)を通過した尿が引き出し部にたまり、猫にストレスを与えずに簡単に採尿ができます。1日の尿量も把握することができます。
※採尿するときは、トレーを洗浄し、新しいチップ(砂)に交換してから行ってください。

1) 尿をためる
引き出し部にシートなどの吸収体を敷かずに使用し、オシッコをためる。   

システムトイレでシートを敷かずに尿をためるイメージ写真

2) 尿をチェック
色や量をより正確に把握したい場合は、計量できる容器等に移し替える。

尿を容器に移し替えるイメージ写真 病院での尿検査に便利

● お玉で採る

猫のオシッコをお玉で採るイメージイラスト

お玉状のものを利用。トイレで猫がオシッコの体勢になって腰を落とした瞬間に、後ろからお玉をおしりの下に差し入れてオシッコを採り、容器に移し替えます。

● ビニールシートの上で採る

猫のオシッコをビニールシートの上で採るイメージイラスト

猫砂の上にビニールシートを敷き、その上にしたオシッコをスポイトなどで吸い取って、容器に移し替えます。

STEP 2
色・量・ニオイをチェック 

色

「うすい黄色」が健康なオシッコの色です。

色がうすく透明っぽいオシッコは、腎臓の機能が衰えて濃縮されずに必要以上に水分が体外に出てしまった状態で、慢性腎不全の進行が疑われます。細菌が混ざり白濁しているオシッコは、白血球をたくさん含んでいる膿尿で、膀胱炎の症状の一つです。

血液が混ざっている鮮血・褐色のオシッコは、血液が混ざっている状態。膀胱炎や尿石症などによって膀胱や尿道が炎症を起こしている可能性があります。キラキラ光る結晶が混ざっているオシッコは、オシッコの中に尿石や結晶が混ざっていることが考えられます。

写真提供/DVMsどうぶつ医療センター横浜
渡邊俊文先生
(元 麻布大学附属動物病院)

量

愛猫の1日量の平均を把握しておきましょう。

多すぎても少なすぎても問題です。腎臓が衰えてオシッコを濃縮できなくなると、必要な水分まで体外に出てしまうので、水をたくさん飲む→オシッコの量が増える、の悪循環が起こります。1日の量を把握しておくことは、慢性腎不全の早期発見に役立ちます。変化に気づけるように、普段の量を知っておきましょう。

<猫のオシッコの1日量の目安>

猫のオシッコの1日量の目安の票。猫の体重が3.0kgの時、目安は30~90cc

花王株式会社調べ 

ニオイ

いつもと違ったら要注意。

「ニオイがあまりしなくなってよかった」なんて喜ぶのは大間違い!ニオわなくなったということは、オシッコがうすまっているということ。つまり、腎臓の機能が衰えて濃縮されていない状態で、慢性腎不全の進行が疑われます。また、「生臭い」など、普段と違うニオイがするときも注意が必要です。

あわせてココもチェック!

● 飲水量の増減に注意
飲水量が減ると、オシッコが濃縮されて腎臓に負担がかかったり結石ができやすくなります。逆に、たくさん飲むようになってきたら、腎機能の低下が疑われます。飲水量の大幅な増減が見られたら早めに動物病院に相談を。

<異常な飲水量の目安>

猫の異常な飲水量の目安の表。猫の体重3.0kgの時、150cc以上が異常とみなす目安

写真提供/DVMsどうぶつ医療センター横浜
渡邊俊文先生
(元 麻布大学附属動物病院)

<飲水量の量り方>

計量カップを使って、与えた量と残っている量の差を出すと飲水量がわかります。

飲水量の測り方の写真

 

● こんな様子が見られたら、オシッコの病気を疑って!

・いつもと違う場所でオシッコをする
・頻繁にトイレに行く
・トイレに行ってもオシッコが出ない
・トイレにいる時間が長い
・オシッコをしながら痛そうになく
・おなかや陰部をしきりになめる

獣医師さんに聞きました!

病院での定期的な尿検査にも、自宅での採尿が理想。

井本動物病院 井本院長の写真

井本動物病院 院長
井本史夫先生

飼い主さんが日頃からオシッコチェックをするのはもちろんですが、4ヶ月に1回、8歳以上であれば月1回、病院で尿検査をするのがベストです。採尿は病院でもできますが、システムトイレなどで自宅で採った尿を持参できれば、猫にストレスをかけずに尿検査ができます。また自宅では、トイレ行動も観察するようにしましょう。ただし、排泄行為をジッと見られることは猫にとってストレスです。さりげなく観察してください。

STEP 3
ダイアリーに記録 

オシッコの色・量・ニオイ、飲水量や行動など、気づきを定期的に記録しておくことで、愛猫のちょっとした変化に気づきやすくなります。

*いつもと違うと感じたら、早めに動物病院で診察を受けてください。

年に1度は動物病院で
定期健診を

健康であっても、年に1度は動物病院に尿を持参し、尿検査をしてもらいましょう。

動物病院で定期的にくわしく検査することで、病気の早期発見につながります。尿を持っていく場合は、採尿の方法や尿の状態、普段の行動について獣医師に説明してください。自宅で採尿することで、猫ちゃんに負担をかけずに尿検査することができます。その際、自宅でのオシッコチェックを記録したダイアリーを持参していただくと、獣医師にとって大変参考になります。

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