自宅での採尿は、いくつか方法があります。トイレの形態や愛猫にあわせた方法でチャレンジしましょう。
システムトイレは、引き出し部にシートを敷かずに使用すると、チップ(砂)を通過した尿が引き出し部にたまり、猫にストレスを与えずに簡単に採尿ができます。1日の尿量も把握することができます。
※採尿するときは、トレーを洗浄し、新しいチップ(砂)に交換してから行ってください。
1) 尿をためる
引き出し部にシートなどの吸収体を敷かずに使用し、オシッコをためる。
2) 尿をチェック
色や量をより正確に把握したい場合は、計量できる容器等に移し替える。
お玉状のものを利用。トイレで猫がオシッコの体勢になって腰を落とした瞬間に、後ろからお玉をおしりの下に差し入れてオシッコを採り、容器に移し替えます。
猫砂の上にビニールシートを敷き、その上にしたオシッコをスポイトなどで吸い取って、容器に移し替えます。
「うすい黄色」が健康なオシッコの色です。
愛猫の1日量の平均を把握しておきましょう。
多すぎても少なすぎても問題です。腎臓が衰えてオシッコを濃縮できなくなると、必要な水分まで体外に出てしまうので、水をたくさん飲む→オシッコの量が増える、の悪循環が起こります。1日の量を把握しておくことは、慢性腎不全の早期発見に役立ちます。変化に気づけるように、普段の量を知っておきましょう。
いつもと違ったら要注意。
「ニオイがあまりしなくなってよかった」なんて喜ぶのは大間違い!ニオわなくなったということは、オシッコがうすまっているということ。つまり、腎臓の機能が衰えて濃縮されていない状態で、慢性腎不全の進行が疑われます。また、「生臭い」など、普段と違うニオイがするときも注意が必要です。
● 飲水量の増減に注意
飲水量が減ると、オシッコが濃縮されて腎臓に負担がかかったり結石ができやすくなります。逆に、たくさん飲むようになってきたら、腎機能の低下が疑われます。飲水量の大幅な増減が見られたら早めに動物病院に相談を。
計量カップを使って、与えた量と残っている量の差を出すと飲水量がわかります。
● こんな様子が見られたら、オシッコの病気を疑って!
・いつもと違う場所でオシッコをする
・頻繁にトイレに行く
・トイレに行ってもオシッコが出ない
・トイレにいる時間が長い
・オシッコをしながら痛そうになく
・おなかや陰部をしきりになめる
病院での定期的な尿検査にも、自宅での採尿が理想。
飼い主さんが日頃からオシッコチェックをするのはもちろんですが、4ヶ月に1回、8歳以上であれば月1回、病院で尿検査をするのがベストです。採尿は病院でもできますが、システムトイレなどで自宅で採った尿を持参できれば、猫にストレスをかけずに尿検査ができます。また自宅では、トイレ行動も観察するようにしましょう。ただし、排泄行為をジッと見られることは猫にとってストレスです。さりげなく観察してください。
オシッコの色・量・ニオイ、飲水量や行動など、気づきを定期的に記録しておくことで、愛猫のちょっとした変化に気づきやすくなります。
*いつもと違うと感じたら、早めに動物病院で診察を受けてください。
動物病院で定期的にくわしく検査することで、病気の早期発見につながります。尿を持っていく場合は、採尿の方法や尿の状態、普段の行動について獣医師に説明してください。自宅で採尿することで、猫ちゃんに負担をかけずに尿検査することができます。その際、自宅でのオシッコチェックを記録したダイアリーを持参していただくと、獣医師にとって大変参考になります。