冬は、猫にとって泌尿器系の病気が増える季節です。
寒くなると、飲水量が減ったりトイレを我慢したりして、濃い尿が長時間、膀胱に滞ることが原因といわれています。トイレを我慢してしまう要因として、トイレ環境が大きく影響していると考えられます。
そこで、「泌尿器ケア研究会」では泌尿器系疾患の発症状況と冬場のトイレ環境を調査しました。
【調査概要】
2013年6月~7月 花王株式会社調べ
調査方法:インターネット
対象者:1歳以上の猫飼育者2,697名
対象地域:全国
愛猫が泌尿器系疾患にかかったことのある猫オーナーに発症した季節を尋ねたところ、「冬」は他の季節の2倍以上にものぼることが分かりました。やはり冬は泌尿器系の疾患を発症しやすい季節であることを裏付ける結果となりました。
冬場のトイレの設置場所の温度環境については、51.8%が「寒い場所」と答えています。
冬場のトイレ環境について気をつけていることとして、周囲を段ボール等で囲って風よけにするなど、暖かくする工夫をしている人が多くみられました。
一方、ニオイがこもらないよう、こまめな換気を意識している人も多く、寒さを防ぎながら、ニオイも軽減する、という2つの課題があるようです。
冬場、猫が好む場所として、「暖かい場所」と答えた人は93.4%と圧倒的。にもかかわらず、半数以上の猫トイレは、寒い場所に設置されていました。泌尿器の病気になりやすい猫にとって、尿を長時間溜めないことは健康上とても重要なので、排尿をしやすいように配慮したいものです。苦手な寒い場所に設置された冬場のトイレは、猫にとって快適ではないかもしれません。
泌尿器系疾患は、若齢からかかる可能性の高い病気で、冬は特に発症しやすい季節です。
冬に、寒い場所へ猫トイレを設置していると、トイレに行くことを我慢してしまい、膀胱に長時間尿を溜めてしまいがちです。その結果、膀胱炎にかかりやすくなったり、尿石ができやすくなったりします。
猫にとって快適な場所に猫トイレを設置すれば、泌尿器系疾患になるリスクを減らせます。猫トイレの設置場所は、生活スペースに近いできるだけ暖かい場所を選び、普段過ごす場所との温度差が少なくなるよう、おすすめします。
泌尿器系疾患になりやすい猫にとって、冬のトイレ環境は非常に重要ですので、今一度、冬場のトイレ環境を見直して、健康に過ごせる環境作りをしてあげてください。
冬場は、暖かい生活スペースに猫トイレを設置することが大切です。